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ヨガ教室でお寺を身近に
京都市上京区・日蓮宗本昌寺 児玉真人住職
2014年4月9日付 中外日報(キラリ — 頑張る寺社・宗教者)
本堂でヨガを行じる参加者ら
「呼吸を意識してください」——ヨガ・インストラクター、櫻井有紀さんの声が本堂に響いた。参加者は体を伸ばしたり緩めたりしてゆっくりとポーズを取る。およそ1時間の指導が終わると、堂内に晴れやかな笑顔が広がった。
京都市上京区の日蓮宗本昌寺では昨年6月から毎月1回、日曜日の午後に本堂で「寺ヨガ」を開いている。坊守さんとが以前から「お寺でヨガができれば」と講師を探していたところ、大阪を中心に活躍中の櫻井さんを知人から紹介された。櫻井さんも仏教への関心と寺院を会場にヨガを指導する希望を持っていたという。
本昌寺は昨年、開創350年の節目を迎えた。「(これを機に)何か新しいことができれば」という児玉真人住職の思いもあり、ヨガ教室が始まった。
参加者は、同寺が発信するインターネットの交流サイト「フェイスブック」やブログを見たり、口コミを通じて近畿一円からやって来る。お寺の本堂という普段なじみの薄い厳粛な空間で体を動かすのは「ジムでやるのとは全然違う」「癒やされる」と好評だ。
住職夫妻は一緒にヨガを行じながら、参加者が生き生きと元気になり、表情が明るくなっていくのを実感するという。
ヨガ終了後の茶話会も参加者の楽しみだ。打ち解けた雰囲気の中、日々の食生活など一人一人の質問に櫻井さんが丁寧に答える。お寺や仏教に関心を持つ人もおり、住職に個別に質問に来たり、写経をして帰る人もいるそうだ。
「皆さん、手を合わすことに慣れてきました。本堂で仏様の光に包まれているだけでもありがたいこと。こちらから押し付けることはありませんが、自然と日蓮聖人の教えに近づいてもらえれば」と児玉住職は話す。
同寺の「水行体験」も人気を集める。昨年9月には350年を記念する初の「フェスタ」を開き、ヨガ教室や出店など、多くの参拝者でにぎわった。
「お寺に敷居を感じてほしくない。どんどん利用してもらって、お寺を身近に感じてほしい」。誰もが気軽に足を運べる開かれた寺院が児玉住職の願いだ。
日蓮宗 長壽山 本昌寺